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2012年9月14日金曜日

脱原発論(小林よしのり)を考える

【脱原発論を買って見て思うこと)】

うーん、買わなきゃよかった。正直な感想です。
まずは価格です。内容の殆どが劇画であり信憑性が乏しく、作者の創作・フィクションであると言えます。

これで1700円(税別)!!

儲かってまんな~! 「小林よしのり!」
 この本(漫画)は22章からなる劇画と9つからなる「コラム」で構成されています。

劇画については基本的に漫画(フィクション)なのでコメントは控えさせて頂きます。

コラム①「わざと作られた関西の電力不足」
テレビ朝日「モーニングバード」や「週刊ポスト」の記事を拠り所としています。テレビ朝日のモーニングバードは朝の情報娯楽番組でありニュース番組ではありません。
コメンテーターが面白おかしく番組をもり立てるのが仕事であり、それらが全て真実ではありません。
これらの情報は全てバイアス(情報操作)がかかっていると言わざるを得ません。

電力というものは「計算が間違っていたから停電しました」という言い訳は許されません。
その為、電力会社は必要以上の電力を供給して、不測の事態が起きても停電が発生しないように勤めているのです。
その電力会社の努力に対して、「停電しなかったのは電力が余っている証拠である」と言うのは如何なものでしょう?

コラム②「貿易赤字解消の為原発を動かせって」
貿易赤字が発生したのは燃料費(石油・ガス)の輸入量が増えた結果です。
そもそも「原発」を増加させた理由は「石油・ガス」の発電における使用量を削減し、安価な電力を供給しようとした為であり、その結果、毎年毎年、電力料金は減少していました。
電力会社は私企業でありながら独占企業でもあります。その為、常に電気料金を不当に値上げさせないために国会や経産大臣の了承が必要になっています。

現時点で「原発」よりも発電コストの安いエネルギーは島国日本ではありません。
原発をゼロにすれば必ず電気料金は上昇します。
石油・ガスを他国から輸入している以上、輸入総額は増え続けるのは当たり前の話です。

第6章「これが現実!放射線量に正しく恐怖せよ」

この本の肝であることは間違いありません。
この6章で「放射能」の危険性をアピールして、第20章「化石燃料の新たな大きな可能性」で今話題になっているメタンハイドレードやシェールガス、石炭火力を話題にあげています。
この6章、20章だけ漫画ではなく文章により表現されています。
6章は小出裕章などの専門家が執筆したものと思われます。
自然エネルギーの専門家でもない只の漫画家がこれだけの文献を調べ上げるとは思えません。
「放射線」の危険性は述べているがそれらはあくまでも推測の域を超えていません。
「放射能」と甲状腺がんとの因果関係も明確化されたものではありません。
後半の「ホルミシス効果」について何ら因果関係が無いという説同様、放射線が人体に与える悪影響も証明されていません。
結論としてなんとなく「悪そうだ」。
「ホルミシス効果」についてもなんとなく「嘘くさい」といっているだけなのです。

それらを証明するためには膨大な臨床データと検証結果が必要になるからです。

こういった書籍は作者の意図的な思想で情報操作されています。それらに騙されないようにするためには自分達が「正しい情報」を得ることをしなくてはなりません。

「放射線」については上記のホームページに詳しく書いてあります。(東京電力は信用出来ない、と言われるのであればそれはそれでしかたありません。ただその場合、正しい情報を得ることは出来ません。)


「放射線」を含む食材はいっぱい存在します。
それは、ほとんどの食材に含まれるカリウムが「放射線」を出すからです。

塩分を取り過ぎすぎると血圧は上昇し、健康に影響を与えます。ところが塩分を全然取らないと人間は死んでしまいます。
カリウムは血中の水分量を適正にコントロールして血圧を一定に保つ働きをします。その為、栄養素の必須要素として捉えられています。 そのカリウムは微量ですが放射線を発しているのです。

【福岡・大阪の自然放射線量は1.1ミリシーベルト以上】


日本各地の自然放射線量です。
赤色が年間の自然放射線量1.1ミリシーベルトの地域です。
自然放射線とは自然界に存在する放射線量のことですが、勘違いすると困るのですが自然放射線は無害で原発から発せられた放射線は有害であるということではありません。
全く同じ放射線なのです。
福岡や大阪は年間1.1ミリシーベルト以上ずっと被曝し続けているのです。
私は福岡に来てから20年になりますがよその県に比べて癌が異常に発生したとかという事実を知りません。
小林よしのり氏は福岡の生まれですが、少年期からずっと年間被曝量1.1ミリシーベルト以上のなかで生活を送って来ました。

彼のいうことが正しければ、彼は甲状腺がんで何度も命を落としていることになります。
同じように関西地域も年間1.1ミリシーベルト以上の被曝を受けています。

「橋下市長が何故あそこまで馬鹿なのか?、
何故、大阪市民が橋下市長に簡単にだまされるのか?」
それは放射能の影響を受けて、頭がおかしくなっているのでは無いでしょうか?

TPPで共に戦った中野剛志氏のコメントです。



小林よしのりはこの「脱原発論」の中で3分の2は「原発」「放射能、怖~い」を繰り返しています。

例えばこんな感じ。
時間被曝量を線量計で測定しその値を掛け算した数値を年間被曝量に換算しています。
こういった被曝量の計算は通常行いません。
それは場所に応じて被曝量が一定ではなく、人の動きも一定では無いため、簡単に乗ずる計算では正しい値が得られないためです。
年間の放射線量の測定はバッチ式積算線量計を用いて計測しないと正確な線量は図れません。

【原発作業員はシロート】

彼は実社会で経験したことがないのでしょう
自動車工場でも、様々な作業現場でもシロートを作業現場に放り込んで重要な作業につけることなど通常では考えられません。
 シロートの現場作業はゴミの片づけ、清掃、資材の搬入搬出が主な仕事です。
重要な仕事は必ず専門に訓練された技術者が決められた作業手順に沿って作業を行うのが普通です。
この劇画に書かれているようなことは一切ありません。
これはあくまでも漫画でありフィクションなのです。
この本はもっとも信憑性の無いデマの類としか言い用がありません。(それを真に受けている国民が大多数である事が問題なのですが・・・。)

【原発は危険、福島は危険、だから福島産は買うな!】
福島で生活している人びとは風評被害と戦いながら、歯を食いしばって頑張っているのです。


その福島の人達を小林よしのりは見捨てるのか?
すげーな!脱原発論者!!。すげーな!小林よしのり。





【脱原発は100円の値上げでは済まない!】

この本の中で小林よしのりは電力料金の値上げは高々月100円の負担と言い切っていますが そんな事を言っている経済学者は一人もいないのです。

上記の表は各界の有識者が計算したものですが脱原発した場合4000円~11000円電気料金がUPすると試算されています。

先ごろ発表した経産省の試算でも、脱原発した場合の電気料金は2倍(20%ではなく200%)になると試算されました。

電気料金の値上げの理由は3つあります。

  1. 燃料費の高騰
  2. 脱原発の廃炉費用
  3. 固定価格買取制度の影響
1・燃料費の高騰

 燃料の使用量が全然増えないと仮定すると通常の物価上昇率から考えても20年後の物価が100%UPすることは考えられません。

燃料が上がったとしても30%UPが関の山でしょう。

2・脱原発の廃炉費用
現時点は廃炉する・しないは分かりません。
上記の試算には廃炉費用は含まれていません。

3・固定価格買取制度
42円/kwhという世界一高い買取価格(ドイツでは16円、原発の燃料コストでは6円)で電力会社が買い取らなくてはならない制度です。


この買取価格は経産大臣が独断と偏見で毎年見直す事ができる。とされていますが、太陽光発電事業者の利潤を守るための措置として今年から3年間は何人足りとも価格を下げる事は出来ません。

2030年に電力料金が倍になるというのはこの「固定価格買取制度」を法律で決めてしまったからなのです。その中に「脱原発費用」(廃炉費用、燃料費の高騰化は一切含まれていません。

固定価格買取制度は買取が始まってから20年間、この価格は維持されます。今後3年間は42円/kwhで電力会社が買い取らなくてはなりません。

電力会社がいらないと言っても買わないといけないのです。

今は夏なので昼間の電気の使用量は増加します。冷房の使用量が増えるからですが、比較的過ごしやすい春や秋には皆冷房は使用しません。その為、電力使用量は大幅に減少し電力は余ってしまいます。その為、火力発電所や水力発電所の運転を停止して、電力の無駄遣いを調整します。
「いらないんだったらスイッチを切れば良い。」当たり前の話ですよね。
ところが、この「固定価格買取制度」で買い取らされた電力はそのスイッチを切ることが出来ないのです。
電力会社は無駄な電力を買い続けなければなりません。
「別に電力会社が払うのだからいいじゃない!」と思われるかも知れませんが、この固定価格買取制度で買わされた電力料金は「再エネ賦課金」として我々国民(電気利用者)が負担しなければなりません。

その負担額が現行電力料金の2倍になるのです。

経団連と日本商工会議所は共同で意見書を政府に提出しました。

「エネルギ ー・環境に関する 選択肢」に関する意見 参考資料



エネルギー・環境政策の選択肢等に関するアンケート結果

経団連の話をすると「小林よしのり」は必ず「原子力ムラ」と称し、原発の利権構造を非難しますが、自然エネルギーに対する利権構造を一度も避難していません。
固定価格買取制度」「再エネ賦課金」は物価を極端に押し上げ、失業者を増加させ、消費税増税よりも負担が増加するにもかかわらず、それらを何一つ批判していません。

最後に、このメガソーラー・自然エネルギーに群がった利権構造三橋貴明氏が痛烈に批判しています。


メガソーラーについては
「20年で撤去のメガソーラー」
を御覧ください。








2012年9月9日日曜日


次世代自動車の行方


【変化の激しい自動車産業】
各国が進められている次世代自動車について簡単に述べて見たいと思います。

【次世代自動車】
次世代自動車には次のようなものがあります。

燃料電池車自動車、レンジエクステンダー型ハイブリッド、電気自動車、ハイブリッドなどがあります。

【燃料電池自動車】

世界に先駆けて日本で開発された自動車?として民主党政権が世に送り出そうとした次世代?自動車です。

基本的には電気自動車です。次に紹介するスイフト レンジエクステンダーEVと同じく、 発電機を搭載し 電気を作りながら走る電気自動車です。 
 スズキ スイフトはガソリンエンジンで発電機を回すのに対し、この燃料電池車は水素を化学反応させ電気を発生させてモーターを回す形を取ります。 電気自動車同様CO2を一切発生させません。

ただ、このクルマは普及しません
一台の市販車を送り出すことなく、自動車市場から消えてなくなります。

製造コストが高い、インフラコストが膨大、水素という「燃料」が必要、海外で売れないなどの問題から、世界の自動車メーカーは開発をしていません。

【レンジエクステンダー搭載EV(電気自動車)】

充電池とガソリンエンジンを搭載したEV(電気自動車)です。
 電気とエンジンを使用する車としてはプリウスなどと同様のハイブリット車だと言えますが、このレンジエクステンダーに搭載されているエンジンは発電機専用エンジンであり、このエンジンでタイヤを直接 回すことは出来ません。

このレンジエクステンダーEVの特徴は下記の通りです。

  • 電気自動車のインフラが必要ない
  • 搭載バッテリーを削減出来る
  • レンジエクステンダー機能は他車で流用可能
  • 部品点数はEVの次に少なく、コストを大幅に削減出来る
  • EVへの移行が簡単
とメリットが多い車です。

ハイブリットの今後はプリウスなどのプラグインハイブリッドなどではなく、レンジエクステンダー機能搭載のEVに取って代わると思われます。

問題は価格です。ススキ スイフトレンジエクステンダーは市販車200万円程度。
インド TATAは200万円を切って発売されるかもしれません。

スズキはインド市場でTATA社と競い合っているので200万円を切って市場投入するかもしれません。(150万円前後)

何れにしてもこのレンジエクステンダーを搭載したEVから目が離せません。


【電気自動車:EV】

世界の主流となりつつあるのは電気自動車です。
三菱アイミーブ
充電インフラさえ整えば明日にでも普及出来るだけのポテンシャルはあります。

現在、電気自動車には2つの流れがあります。

  • 街乗りコミューターとしての低価格な電気自動車
  • 大容量のバッテリーを搭載した高級電気自動車
があります。前者としては三菱アイミーブシーリーズ、日産リーフなどがこれにあたります。

BMW EV
後者としてはテスラ・モーターズやシボレー・ボルト、BMW、ベンツなどが試作車を開発しています。

電気自動車のメリットはクリーン、燃料費が安い、部品点数が少ない、高性能、高馬力などが上げられます。

デメリットはバッテリーのコストが高すぎるということにつきます。
電気自動車のコストの大部分はバッテリーと言われています。しかもそのバッテリーの電極に使われる「コバルト」という「レアメタル」が価格の大半を占めているのです。
バッテリーを多く積めば航続距離は増加しガソリン車に近くなりますが、その反面価格は上昇します。
三菱ミニキャブEV
 バッテリー搭載を1日分の走行距離だけに土留め、夜間毎日充電する「フォークリフト」の様な使い方を考えるのもありかもしれません。

500万円以上もする電気自動車は普及しません。現時点での電気自動車はこういった形が良いのかも知れません。

【プラグインハイブリッド】

通常のハイブリッドは基本的に「ガソリン車」です。ガソリン車の燃費を改善するために補助装置(モーター)を搭載した自動車が「プリウス」などのハイブリッドとなります。
 それに対し「プラグインハイブリッド」はバッテリーの搭載量を増加させ、モーターだけでの走行も可能になりました。
バッテリーが切れた場合、内臓のエンジンを動力源に走行が可能です。

PHVはエンジン付きEVの色合いが濃い味付けとなっています。
通常(20キロ程度)はEVで動作しますがバッテリーが無くなった場合、内臓のエンジンが動力源となり普通の自動車として動作します。(発電はしません。)EVとエンジン車を足した機能を持つのがこのPHVです。

欠点はとしてはEVとエンジン車の機能が付加されているのでコストが増加します。(500万円程度)。
その為、プリウスPHVは装飾品を全てオプション設定して車両本体価格を引き下げています。(現行のガソリン車並の装備を実装すると500万円程度かかります)

余程セレブが増加しないかぎりPHVは普及しません。

レンジエクステンダー搭載EVの方がコスト的にも機能的にも優れているといえるでしょう。

【これからの流れ】
来年発売を予定しているスイフトレンジエクステンダーやTATA・モーターズのレンジエクステンダー車、三菱自動車のアイミーブやミニキャブアイミーブなど注目される自動車であることは間違いありません。

最近のエコカーはアイドリングストップ機能や更なる軽量化、バッテリーを強化して、ハイブリッドでなくても30km/lの燃費を実現しています。

リッター140円で燃費が30kmとすると1kmあたりのコストは4.66円。

EVの普及ラインは1キロ1円という圧倒的な燃料コストが基本となっています。



現時点では電気自動車の方が遥かに安く、お得であるといえます。(現時点では急速充電器の使用料金が分かりませんが・・・?)

レンジエクステンダー搭載のスイフトをいくらで販売してくるのか楽しみです。(希望としては補助金込で150万円以下)